この業界に入って30年以上になりますが、その間にたくさんの患者さんから
いろいろなお話を聞いたり、いろいろな症状を見せてもらい施術させてもらいました
その中でも印象深かった患者さんをご紹介させていただきます
Mさん、95歳の一人暮らしをしている女性です。
身体の状態
- 膝が悪く人工関節置換術を受けている。
- 膝の屈曲角度は45度程度しか曲がらない。
- 歩行状態を見ていると片足を伸ばしたまま歩いてます。
- 腰も悪く前かがみ気味で腰をかばっているような歩き方をしています。
- 両方のふくらはぎは、むくみがありパンパンです。
- 両方の太ももの筋肉は細いが固く締まってます。
自宅の状態
- 築35年以上たつ平屋建ての家です。
- 家の玄関に入るまでに12段ほどの階段があります。
- 階段には手すりがあります。
- 玄関前は20㎝の段差があります。
- 屋内はバリアフリーにはなっていません。
- 浴室の浴槽は正方形の深いタイプです。
Mさんの”自分のできることは、他人に頼らず自分でやるところ”は凄い
Mさんの日常生活では
お風呂掃除と食料品や日常品の買い物は、ヘルパーさんのお願いしてやってもらっていました。
その他の食事を作ったり身の回りの掃除などは自分でやっていました
カレンダーには、いつの何時から病院を予約しているとか、
いつに集金にくるとか、何時にヘルパーさんがくるとか、
買い物で何を頼もうかなどが書き込まれて、生活に必要なことは自分で
管理されていました
思い出
施術が終わって帰る際に、私が荷物を持ってあげようと荷物を運ぶと
「それは自分でもてるから手伝わなくていい」と言われました。
「自分でできることはやらないと、できなくなるから」と言って
荷物をもって帰られました。
正直、”人が親切で言っているんだから甘えろよ”とおもいましたが、
95歳で一人暮らしをするには「できることは自分でやる」という
強い信念が必要なんだと思わされました。
思い出
下腿部がむくみでパンパンなので、それを改善させるために自分で
何かできる事がないかを聞いてきた時に、運動療法を教えると運動を
毎日の日課にして努力始めました。
そのフットワークの軽さは、とても95歳には見えませんでした
現状を少しでも変えようと前向きな気持ちに驚かされました。
そして、してむくみは少しずつ改善させていきました。
最後にMさんが言ってた言葉で印象深いのは
「人間、いくつでも好奇心が無くなったらお終いだよ!」
若くても年を取っていても、あれは美味しいのかな?
あそこに行ってみたいな!あれはどうなっているのかな?
そんな好奇心が無くなったら死んだのと同じそうです。
95歳でも好奇心を失わず何事も前向きな方でした
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